事業承継とは?

1 中小企業庁の「事業承継ガイドライン」
中小企業庁は、2006年、事業の持続化を目的として「事業承継ガイドライン」を策定しました。そして、2016年12月、2022年3月に「事業承継ガイドライン」は改訂され、現在第3版が最新のものとなっております。
最新版の「事業承継ガイドライン」のPDFデータはこちらになります。
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/shoukei_guideline.pdf

2 事業承継とは?
事業承継とは、事業を継続・発展させる目的で後継者へ事業を引き継ぐことをいいます。
事業承継には、大きく3つの方法があります。①子どもや親族に事業を引き継がせる親族内承継と、②従業員や役員に継がせる従業員承継、③株式譲渡や事業譲渡等第三者に事業を売却するM&Aの方法です。そして、後継者に承継すべき経営資源は、「人(後継者)」、「資産(株式、事業用資産など)」、「知的資産(経営理念、従業員の技術、ノウハウなど)」の 3 要素に大別されます。

3 事業承継の重要性
事業承継には明確な期限がないので、差し迫った理由がなければ、日々の多忙さに紛れ、対応を後回しにされてしまうことが多いです。そして、ガイドラインによりますと、個人事業者では先代経営者の死去や体調悪化などの突発的事情により事業承継を行わなければならないケースが約6割を占めているとされています。特に昨今の新型コロナウイルスの流行により、突発的事情の占める割合は高くなっていると推察されます。
しかし、事業承継を行わないままですと、後継者が不在のため事業が停滞するリスクが生じ得ます。そこで、あらかじめ事業承継を意識しつつ、会社を経営していく必要性が出てきます。
 
4 事業承継に向けた準備の5ステップ
ガイドラインでは、事業承継の準備を行う必要が出てくるのは、経営者が概ね60歳に達したときとされております(ステップ1)。ステップ1に達した場合には、次に経営状況・経営課題、経営資源等の把握「見える化」(ステップ2)、事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)(ステップ3)、事業承継の計画策定(ステップ4)、事業承継、M&A等の実行(ステップ5)という形で進めていきます。
事業承継への第1歩として重要なのは、会社の経営状況、経営資源を把握し、記録化することになります。

事業承継をお考えの事業者様は、一度「事業承継ガイドライン」をご一読されてみてはいかがでしょうか。ご不明な点等ございましたら、顧問弁護士がサポートさせていただきますので、当事務所までお気軽にご相談いただければと思います。