1 比較広告とは

比較広告とは自社製品と他社製品を直接的ないし間接的に比較することにより、自社製品の優れた点をアピールするために用いられる広告手法であり、広く用いられていますが、場合によっては、景品表示法に違反するおそれもあるため、このような手法を用いる場合には注意が必要です。

2 景品表示法上の規制

景品表示法は、比較広告自体を禁止・制限しているわけではなく、個々の表示が不当表示に該当するかどうかを検討することになります。そして、次のような比較広告は、不当表示に該当するおそれがあります。

①実証されていない、又は実証され得ない事項を挙げて比較するもの

②一般消費者の商品選択にとって重要でない事項を重要であるかのように強調して比較するもの及び比較する商品を恣意的に選び出すなど不公正な基準によって比較するもの

③一般消費者に対する具体的な情報提供ではなく、単に競争事業者又はその商品を中傷し又は誹謗するもの

3 違反にならないための要件

そのため、不当表示とならないためには、以下の要件を満たす必要があります。

①比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること 

実証は、確立された方法がない場合には社会通念上及び経験則上妥当と考えられる方法(例えば、無作為抽出法で相当数のサンプルを選んで、作為が生じないように考慮して行う調査方法)によって、行う必要があります。レビューや体験談などの場合にも、相当数のサンプルを選んで行った調査で実証されている必要があります。

②実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること 

調査が一定の条件下で行われている場合には、 同じ条件下での比較として引用する必要があります。

また、調査機関や調査時点等をあえて表示せず、調査の客観性や調査時点等について一般消費者に誤認を生じさせるような場合には、不当表示となるおそれがあります。

③比較の方法が公正であること 

商品等の機能、効用等にあまり影響がない事項を、あたかも商品等の機能、効用等が優良であるかのように強調するような場合には、不当表示となるおそれがあります。

また、通常表示されている事項であって、広告で表示された長所と表裏一体の関係にある短所について、これを表示しないような場合にも、不当表示となるおそれがあります。

4 まとめ

自社で比較広告を出す際には、以上のような観点に注意して行う必要があります。

自社広告が法規制に違反していないか心配な場合には、当事務所での広告チェックも可能ですので、ぜひお申し付けください。