契約書チェックのポイント

1 日々の業務の中で、契約書を見ることは珍しくありませんが、その内容を適宜チェックしていますか?
  難解な表現や言い回しはなじみが薄く、とても読みにくいですよね。
  また、取引習慣や信頼関係に頼っているので、そもそも契約書などの書面を作成していない、ということはありませんか?
  しかし、私たちがトラブルの相談を受けた際にまず確認したいのは契約書であり、その存在は非常に重要です。
  契約書にどのような記載がされているのか、契約に沿ったときに相手にどのような権利を主張できるのかなど、依頼者の利益を守り、その損害を最小限に抑えるための情報がそこに隠されているからです。
  契約書は、トラブルになって初めて詳しく内容を確認することも多いようですが、未然にトラブルを防ぐためのリスク管理としても重要です。

2 取引先から契約書を受け取ったとき、取引のメーン項目(金額、期限、対象の商品や役務、成果物の質量など)は当然チェックしますが、それ以外にも、以下の点などに注意が必要です。

 (1) 解約権の存否
    例えば継続的契約において、期間途中での解約ができるか。解約のための要件は何か。
 (2) 違約金(損害賠償の範囲)の有無
    賠償額が固定額で定められていないか、賠償額の上限が定められていないか。
    免責条項はないか。
 (3) 遅延損害金の有無
    遅延損害金の利率の定めがあるか。法定利率(3%)よりも高くないか。
 (4) 契約不適合責任
    契約不適合責任が免責されていないか。
 (5) 合意管轄
    裁判になったときに手続きを行う管轄裁判所が相手方の所在地である遠方に設定されていないか。
 (6) 秘密保持
    過剰に守秘義務や秘密保持を求められていないか。その範囲や要件は明確か。
 (7) 知的財産権の帰属
    契約に基づき取得した知的財産権の帰属はどう定められているか。
 (8) 民法改正
    2020年の民法改正に沿った内容に適切に変更されているか。

 一般的代表的なポイントをあげておりますこのほか、契約類型によって他にも注意点はさまざまあります。
 受領した契約書の中身が理解できず不安がある場合や疑問がある場合は、お気軽にご相談ください。