現在、AIによる契約書チェックのサービスを提供する会社が多数あります。
私自身も利用してみましたので、その特徴や上手な利用法について解説させていただきます。
1 AIによる契約書チェックの実際(私が実際に使ってみたAIの例ですが、AIでもほぼ同じかと思われます)
AIによる契約書チェックをする場合、①どのような契約類型なのか(例えば、売買・請負等)と、②どのような立場なのか(例えば売買契約の場合に、売主側なのか、買主側なのか)を選択し、チェックする契約書のWORDまたはPDFファイルをAIに読み込ませます。
契約書の分量にもよりますが、およそ1分程度で契約書に対するコメントがAIから出されます。
利用者は、このコメントを参考に契約書の修正等をすることができます。
2 AI利用のメリット
(1) 選んだ契約類型について、本来記載すべき事項の漏れが防げる。
(2) 定型的な事項については、自分側が不利益となっている事項を指摘してくれる。
(3) (1)、(2)について具体的な条項の案や修正案を提案してくれる。
3 AIのみでは対応が不十分な部分
ビジネスにおいて契約を作成する場合、そのビジネス(契約)の内容を十分に理解し、起こりうるリスクも把握した上で(ビジネス上の経験や、想像力も大事です)、そのような事態を発生させない、また、トラブルが発生した場合のリスク軽減についてもきちんと対応した契約書を作成する必要があります。
しかし、AI自体は具体的なビジネスの内容まで理解して判断するわけではないので、契約内容の中核部分及びリスク管理等は人間がしっかりと考えて作成しなければなりません。
4 AIの上手な利用法
AI自体を有効に活用することは時間・コストの削減にもつながります。
上手な利用法としては、先ずはどのような契約をするのかについては、人の手でしっかり作り込んで、その上で、AIによる最終的なチェックをするというのが良いでしょう。
また、AIによっては、契約書の、英文→日文、日文→英文の翻訳機能を有するものもありますので正式な契約書の翻訳にはなりませんが、参考翻訳を作成する時間を大きく短縮することができます。
※本稿は、現時点の日本での状況についてのものであり海外(特に米国)では更に状況が進展している可能性があります。
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