インターネットのSNSでは、誹謗中傷や事実無根の情報が無責任に投稿され、企業や個人が多大な影響を受け、風評被害が発生しています。
しかし、SNSは匿名性が高く、SNSのアカウント名や投稿内容から投稿者の個人情報は明らかになりません。
そのため、SNSの運営会社に対し、当該アカウントの登録情報の開示を求める「発信者情報開示命令申立」を行う必要があります。
代表的なSNSとして、X(旧ツイッター)(Twitter.Inc)、フェイスブック、インスタグラム(Meta Platforms, Inc.)、Google(Google LCC)があり、それらの運営会社(コンテンツプロバイダ)は、いずれもアメリカに本社を置く会社ですが、管轄としては東京地方裁判所に対する申立てになります。
発信者情報の情報の開示が認められるためには、
・投稿内容が権利を侵害していることが明白であること
例)名誉棄損、信用毀損、侮辱にあたる投稿
・開示を受けるべき正当な理由があること
例)発信者を特定して損害賠償請求等の法的手続きをする
という要件を満たせば可能です。
しかしながら、この発信者情報開示請求手続きの一番の難関は、「投稿からの期間」です。
SNSの運営会社は、投稿に関連するIPアドレス等の情報を一定期間しか保有していません。
正確な期間が公表されているわけではないのですが、短いところで3か月ほどしか記録がないと言われています。
つまり、投稿を発見してもたもたしていると、発信者情報開示命令申立てをして開示命令が裁判所から発令されても、既に情報が失われているということがあり得るのです。
また、運営会社が保有している情報として、携帯電話番号やメールアドレスが分かったとしても、それだけで投稿者の名前や住所を特定できるものでもなく、さらなる手続きが必要になる場合もあり得ます。
IPアドレス等の開示を受けた場合は、アクセスプロバイダ(インターネットの通信会社)にもインターネット契約による情報の開示を求めることになります。
いずれにしても、権利侵害投稿を発見した場合に法的措置を取る場合は、何よりも速やかな手続が必要となるということをお忘れなきようにお願いします。
私は、元検察官であり、長崎では唯一の女性ヤメ検です。
多くの刑事事件に携わったのち、弁護士として活動しています。
その経験を活かし、弁護士としても、刑事事件同様に、緻密でスピーディーな事案対応を得意としています。
また、トラブルを抱えたお客様は予想以上に重い心理的負担に晒されているため、少しでもお気持ちを和らげられるように寄り添い、丁寧な説明を心がけております。
もうすぐ50歳という人生の折り返し地点(?)に差し掛かりますので、仕事でもベテランの貫禄を醸し出せるようにがんばります。